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2006-12-10

『キング・コング』ベンチャー号・エディション

先日、頂いたコメントへのレスの中でフライングして言ってしまいましたが、『キング・コング』DEE版は良いです。特に人間サイド、わけてもベンチャー号に思い入れのある人にはおすすめです。
特に未公開シーン集は7割方ベンチャー号のエピソードで、これがことごとく美味しい。
つうか、なんでカットしてしまったんだ。監督は音声解説でしきりに「あまり航海を描くと映画が長くなるし、観客は早く髑髏島を見たいだろうし――」と言っていましたが、いらぬ心遣いと思います。なんなら二部作三部作にしてくれても良かったのに。
〈以下ネタバレ〉
未公開シーンでは、その歳でどんな修羅場をくぐってきたのかという恐ろしい発言をするジミーとか、船長室で優雅にクラシックなんか聴いている船長とか、劇場版ではわからない各自のキャラクターが、わかりすぎるくらいわかります。
主要人物の性格も、よりわかりやすくなりました。アンはさらに可愛く、デナムはさらに小狡く、ジャックはさらに計り知れない。
そして、内容的にも結構重要だったような気がする。
たしかに無くてもお話の進行には差し障りないシーンばかりなんですが、あると無いとじゃ髑髏島到着後の展開への納得感が違うのです。

特に興味深いのが船長とデナムの動向です。
行き先を巡ってヘイズが船長に正面切って対立したり、プレストンがデナムに反論しようとして逆に脅しつけられたりという場面と、船員と撮影隊の交流(アンとジミーのジグダンスシーンの完全版、可愛いぞー)が平行して描かれることで、船長とデナムが微妙に孤立していく構図と、両者の間の駆け引きというか取引というか、ある種の共犯関係がはっきりしてきます。

これは私の勝手な見解なんですが、船長とデナムってお互いに相手のこと大嫌いなんじゃないかと思うのですが、同時にどっかで同じ穴のムジナだと感じているのではないかな。あるいはデナムは(この時点では)自覚してないかもしれないけど、船長は気付いているのではないか。
特にそう感じるのは「ベンチャー号脱出」のシーンで、カメラを捨てるか捨てないかを巡って船長とデナムが殴り合うエピソードです。
実際に彼らが奪い合っているのはカメラではなくこの航海の決定権なわけですが、その間に、実質的な判断はジャックやヘイズが下しているというのは、何か非常に象徴的。

まあ、このような流れがあると、アンの拉致→髑髏島上陸後のそれぞれの動きが腑に落ちるわけです。
今回、未公開シーンとして独立しているけど、やっぱり本編に組み込んだ形で観たかった。
もうこの際だから、ついでに出してくれませんかね。『キング・コング スーパー・ウルトラ・デラックス・コンプリート・エディション・ミラクル・レインボーBOX』を!

あと、他の特典も、もちろん面白かったです。以下ポイントをざざっと。

・NG集
分量的にはほとんど「ジャック・ブラックショー」と化していましたが、しかし大賞は、紅一点にあるまじきイヤンバカンな言い間違いをしでかしたナオミちゃんと、涼やかに(よく聞くと声が震えているのだが)アドリブで返したブロディ君でしょう。これは私の贔屓ではありません。だれが観てもそう思うはずだ。
あとカットの声がかかった直後に思いっきりくしゃみをし、船員にどつかれても取り敢えず続けようとするトーマスに役者魂を感じました。

・撮影日記未公開分
撮影中に蔓延した奇病「モニターチェック症候群」(撮影が済むたびに自分の演技を現場のモニターでチェックしなければ気が済まず、止めると激しい不安感・動悸・息切れなどの禁断症状があらわれ、ついには精神錯乱に陥る恐ろしい病。グループカウンセリングが有効な場合もあるらしい)に関する戦慄のドキュメント。ああ恐ろしい。
…はたしてこれはどこまでヤラセなのか。この病気自体は本当にありそうですね。

・プレゼント
PJ監督の誕生日に贈られた、キャストの皆さんの自主制作映画。
前髪(かなり長い)をおろした船長が見られるぞ
ナオミが作ったバースデープレゼントを巡ってリレー式に殺人事件が起こるという不条理な話ですが、それぞれのキャラクター性に合った殺し方殺され方をしていて面白いです。
どう間違っても人を殺しそうにない脚本家が、一番トンチキなキャラになっています。

・音声解説
当初、33年版と同じように年配の英国人俳優を予定していた船長の役がトーマスに回ってきたのは、要するに製作・脚本のP.ボウエン女史がトーマスに一目惚れしたためであったらしい
姐さん! ありがとう姐さん!
あと、ナオミたんとブロディ君の演技をしきりに褒めています。
アンとジャックにさっさと恋に落ちてもらうに当たっては、二人の演技力に大いに助けられたんだそうだ。…言われてみれば、きっかけらしいきっかけは特にない。

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Present

こんばんわ。私もスーパー・ウルトラ・デラックス、欲しいです。
それから、あの短編がたいそう楽しかったです。
トーマス、かっこええ < それですか
まだコメンタリーは効いてないのですが、ボウエン女史万歳ですな。

蛹原さん こんばんは
今は楽しく旅行されている最中ですよね。
旅立つ前のエントリーもどれも面白かったです。

>DEE版
>7割方ベンチャー号

えぇーーーーー!そんなにありましたか!
そのカット場面こそ私は大画面でみたかったです!
未公開もですが、他特典も興味大のものばかりですね。
お話どうも有難うございました。
懐に春がきたら我が目でしっかりチェックしてみたいです。

それから「トータルリアリティ」のチュニス解説も有難うございます。
あの考えると「?」と混乱するキャラでも、上手く表現されるとは流石ですねv

>rukkiaさん
短編、面白かったですね~。私も大好きですv
あの人たち本当に仲良いんだなー、と、ちょっと感心もしてしまいました。
トーマスの悪役タバコも板についててかっこよかったし(笑)
ボウエン女史には足を向けて寝られませんね~

>kaedeさん
そーなんですよー! >7割方ベンチャー号
だったらポストカードも、船長とは言わないまでも、ベンチャー号乗員乗客集合写真の一枚くらいあってよさそうなもんなのに!(まだ言ってるよ)
でも本当に観応えあるので、機会ができたらぜひぜひ。

チュニス解説、そう言っていただけてホッとしました~。
なんか考えるほど、「危険人物2人が潰しあったおかげで世の中が平和になった(間に犠牲者を出しまくって)」という、すごいシニカルな話に思えますね、あの映画(^^;)
プロフィール

蛹原タオ

Author:蛹原タオ
sanagihara☆yahoo.co.jp
属性:書痴画狂・犬派・虫キチ・不定形生物好き
趣味:映画・演劇・古書漁・動植物観察
好き役者:A.ブロディ、T.クレッチマン、B.D.ハワード、J.イェンチ他
好き作家:稲垣足穂、種村季弘、たむらしげる、手塚治虫
座右の銘:三十六計逃げるにしかず
*06年3月15日以前のログはこちら

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