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2006-10-28

TIFFも半ばを過ぎて

東京国際映画祭の成果はいまのところコンペ部門の『フォーギヴネス』と特別招待作の『パフューム』の二作。今回はこれで打ち止めになりそうです。
私は基本的に仕事は好きなのですが、終業後に映画の一本も(レイトショーですら)見られないというのは、非常に非文化的だと思う今日このごろ(いや昨日今日始まった話ではないが --;)。
まあ、前売り券が無駄にならなかっただけでも良かった良かった。
以下感想です。
『フォーギヴネス』
作品紹介に「ブラックコメディ」と書いてあったが、どこで笑うのか私にはわからなかった…(少なくとも日本語字幕で見る限りは)。
主人公はユダヤ系アメリカ青年で、胸にダビデの星の彫り物なんかしている今どきの民族主義者。それがイスラエル軍に入隊し、何かの爆発に巻き込まれて記憶を失い、かつてパレスチナ人の村があった場所に建てられた精神病院に入院すると、そこに、爆発の直前に誤って撃ってしまった(らしい)少女の亡霊が現れて…という話を縦糸に、収容所世代と今の世代との意識差、紛争地帯での日常感覚、アメリカに戻った主人公とパレスチナ女性との恋愛といった話を盛り込んだ、なかなか興味深い作品でした。
ただ、それほど長くない割には要素が多く、しかも現代美術家らしい凝った構成なので、少々混乱したり喰い足りなかったりという印象は残りました。主人公の父が、昔収容所の楽団にいた(らしい)という話なんか、もっとじっくりやってほしかったな。

『パフューム』
これは、好き嫌いが分かれそうです。私はかなり好き。
驚異的な嗅覚と体臭の無い身体を持った孤児の、禍々しくも真っ直ぐな生涯の物語。
18世紀のパリ。オリバー・ツイストも甘ちゃんに思えるような過酷な(しかし当時は別に珍しくもなかった)状況の中で、特殊な嗅覚によって生き延びた主人公は、しかしその能力を使って社会と渡り合うビルドゥングスロマンの方向には進まず、そのままスーッと人外魔境のほうへ行ってしまう。
映画は主人公に殆ど語らせず、最初から問答無用の特殊能力を見せつけることでかなり早い時期に主人公への感情移入を阻止しています。そのため彼の犯罪も、なんだか不幸な怪物の彷徨のように見える。
映像と音と芝居(特に群衆の)で「におい」を表現する演出にも感心しました。主人公の「香りによる知覚」の表現なんて、さりげないけど凄い。
終盤はとても説明できませんが(待て日本公開)、かなり唖然とする展開です。ここらへんで賛否が分かれるような気がしますが、私は妙に納得してしまいました。

主人公グルネイユ役のベン・ウィショー氏は、上手いのかそうでもないのかよくわからないながら、非常に役に当ってて存在感がありました。
表情や身体の動きがなんとなく動物的で、グルネイユの無垢さと不気味さが際立っていた。
あと、若い頃のヴァンサン・ペレーズにちょっと雰囲気が似ていたような。
ちなみにボブ・ディランの伝記映画『I'm Not There』でブロディ君と共演するようです。楽しみ~。

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プロフィール

蛹原タオ

Author:蛹原タオ
sanagihara☆yahoo.co.jp
属性:書痴画狂・犬派・虫キチ・不定形生物好き
趣味:映画・演劇・古書漁・動植物観察
好き役者:A.ブロディ、T.クレッチマン、B.D.ハワード、J.イェンチ他
好き作家:稲垣足穂、種村季弘、たむらしげる、手塚治虫
座右の銘:三十六計逃げるにしかず
*06年3月15日以前のログはこちら

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