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2010-07-19

『プレデターズ』捕食者と我ら、捕食者としての我ら

梅雨明けしたからというわけではないですが、やっと観に行ってきました『プレデターズ』。
プレデターファンの方にとってどうかはわかりませんが(ネットで見ると概ね良いようですが)、ブロディのファンとしては結構満足な一本。
全体としては、テンポよくツッコミどころは満載の痛快サバイバルアクションを楽しめます。
それにしても、「戦闘好きの異星人が、戦闘能力の高い地球人を拉致して狩猟場にしている惑星に放ち、獲物として狩り立てる」ってヒドイ話のはずなんですが、大人が子どもたちに殺し合いさせたり、政府が国民に特定の名字の人を殺すように指示したり、金持ちが貧乏人のデスマッチを楽しんだり、ネットユーザーが他人の処刑を見物したりという世も末な話がわんさとある21世紀の今日この頃では、なんだかハンターとして節度ある態度に思えてしまうのが、むしろ怖い。
まあ、考えてみればフィッシングを楽しむためにブラックバスを放流するのと大して違わない発想だし、魚ほどじゃんじゃん増えないという点ではむしろ一部の地球人より道徳的だ。

というわけで以下ネタバレ感想です。

ブロディ演じる傭兵ロイスは、SFアクションのヒーローというよりは、まさに職業戦闘家というキャラクターで、常に冷静、明晰、そして非情。
戦場でしか生きられない自分を自覚していて、それに葛藤する段階もとっくに過ぎ、何やら達観した雰囲気すら漂わせつつ強烈な生存本能も匂わせるあたり、やっぱり上手い。
もともと仲間でもない(というか、最後まで仲間意識はあまり育たない)曲者集団が、見捨てられようが囮にされようが犠牲を出そうが、結局は従ってしまうのも頷けます。
といってもその辺のキャラクター性は、他のメンバーも含めて軽く触れられるだけで個人的には物足りないのですが、まあ、作品の性質上これくらいがちょうど良いのでしょう。(各人の過去話とかを延々と説明して感情移入させたうえで死亡、とかいうのも困るし)
その少ない人間ドラマの中でも、「自分たちもプレデター(捕食者)だ」という事実に行き当たった時、「プレデターとしての自分」を当然のように受け入れていくロイスと、人間であることを意識的にやめないイザベルが、生き延びて次のシーズンを迎えるという結末は、やっぱりな~という感じでした。
この二人はヒーローとヒロインというよりはコインの裏表なんだろうな。
あと、そんな葛藤なんか知ったこっちゃなく、むしろモンスターな自分に陶酔しているような医者が、当のモンスターからは(良くて)猟犬程度にしか思われてなさそうなのも爽快。

それにしても、日本人ヤクザ、ハンゾーは美味しい役でした。
一歩遅れて登場して、気がついたらリーダー・ロイスに一番信頼されているし、死に場所を悟って(この辺の描写に西洋人のサムライ幻想を感じる)一人残る時も、何も語らずとも理解されているし、プレデターですら日本刀のみで迎え打つ彼に対しては、似たような長い刀(状の爪?)一本で一騎打ちに応じる。
獲物であっても天晴な闘いぶりには敬意を表するとは、やっぱりどこの星でもハンティングは紳士のスポーツなんですね。

逆に気の毒だったのがフィッシュバーン氏演じる「生存者」ノーランド。10シーズン生き延びた挙句の、その死に様はあんまりじゃないか。
(というか、ぶっちゃけ彼のエピソードは要らないんじゃないだろうか…)

そういえば、日本人とはいえ英語の話せるハンゾーとはアイコンタクトで済ませていたロイスが、囚われの(マイノリティ?)プレデターには思いっきり英語で話しかけていた場面には、状況が状況とはいえ、ちょっと吹きました。英語圏の人ってスゴい
しかも、わりと複雑な内容(「自由の身にしてやるから、オマエの宇宙船でオレ達を地球まで送れ」)のなのにちゃんと通じていた。
白プレデターが腕の装置から出るホログラムで地球を見せて「これ?」と聞いているような場面はちょっと微笑ましかったです。しかし、こいつもすぐ死んじゃったなあ…。

とまあ、ツッコミどころは多々ありますが、終盤の、身体に泥のカモフラージュをしたロイスとプレデターのボス(?)の肉弾戦は、さすがに迫力がありました。なんというか、「ああ、この人本当に強いんだな」という実感があった。
今まで溜めてきた闘争本能が一気に吹き出たというか、本当は、こういう戦い方をせざるを得ない状況をどこかで待ってたんじゃないかという、ある種の狂気の解放みたいなものを感じさせました。
この人は何であれ、こういう激しいものをずーっと抑制しておいて一気に出す、という演技が滅茶苦茶上手いですね。
そこの部分の説得力があるので、闘いが終わって初めてロイスとイザベルが名乗り合うくだりも(お約束だけど)ぐっと来たし、最後に、次の獲物がパラシュートで降ってくるのを見ながら改めて「地球に帰る」という言葉も、それまでのどこか記号的なニュアンスと明らかに違ってたのが良かったです。

しかし、パンフレットによればシリーズ化もあり得るとかなんとか言ってますが、2人がこの星で子供作って、それが次の主人公ってことはないでしょうね。
そしたら本当にブラックバスだ。

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蛹原さまの感想楽しみにしておりました!
拝見してブラックバスな人間達とキャッチアンドリリースするプレデター達を想像してしてしまいました。そんな紳士な異星人だったら血も流れなくていいですねv(でも映画にならない)
次回作は「自分は出なくてもいい、シリーズが続くことが大切」とブロディさんは言っていましたが、シュワちゃんも出るらしいので是非チョイ役ででも出演して欲しいものです。

そして本当に隣の芝生は青いですね~。日本でも上映される日が早くきますように(-人-)

balさま、いらっしゃいませ~
やっと観に行けましたよ! 劇場でブロディ!
意外にも(おい)ちゃんとヒーローしてましたね~

>キャッチ&リリース
なにか微笑ましくて良いですが、その方針だと魚類ほどでなくても増える一方ですね…(^^;)
そのうち、あの惑星の生態系を圧迫しはじめた地球人類を駆除するか保護するかで、プレデター同士の対立が起こったりして(そんな設定の話が、藤子FさんのSF短編にあったような気が)。
あ、地球にリリースすればいいのか! しかし人類は結構賢いから、すぐに学習してわざと捕まるようになるかも…う~む、どうしてもドラマになりません…。
いっそ、親をなくした仔人間とプレデター少女との魂の交流物語なんてどうでしょうか(すでに何がテーマなのかわからない)。

次回作どうなるでしょうね~
回想シーンとかでもいいから、出番があるといいですね。
もちろん、今作のラストの直後から始まったりしたらブラボーですが(笑)
プロフィール

蛹原タオ

Author:蛹原タオ
sanagihara☆yahoo.co.jp
属性:書痴画狂・犬派・虫キチ・不定形生物好き
趣味:映画・演劇・古書漁・動植物観察
好き役者:A.ブロディ、T.クレッチマン、B.D.ハワード、J.イェンチ他
好き作家:稲垣足穂、種村季弘、たむらしげる、手塚治虫
座右の銘:三十六計逃げるにしかず
*06年3月15日以前のログはこちら

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