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2006-03-11

『オリバー・ツイスト』

「舞台が日本だったら、あの名前は須越瑞夫(すこし みずお)とでもするのかしらね~」
と母が言うので、
「水尾呉也(みずお くれや)でもいいんじゃない」
と返してみたものの、やはり須越君のほうが口調にも合っているし気が利いていると思います。

そんなわけで、最終日滑り込みで『オリバー・ツイスト』観てきました。

素晴らしい。

冒頭、美しい銅版画がすーっと実写映像に変わっていくところから一気に引きつけられてしまいました。
原作は中学の頃読んだきりですが、その頃イメージした映像そのものです。
田園風景とかロンドンの雑踏とか、大通りだけ舗装されていて路地裏は歩いたら病気になりそうなくらいドロドロの路とか。

キャラクターも、大人の事情の複雑さを窺わせるのはフェイギンくらいで、大半の大人は善人も悪人も、かなり思い切って戯画的に描かれてるのが、逆に「子供にとってのリアル」が感じられて良いと思います。
あと印象的なのが、頻繁に眠ったり気絶したりして意識を無くし、目覚めるたびに状況が勝手に変わっているという描写。筋書き上の必要という以上に、子供が成長していくときの実感に近いような気がします。
子供にとって(ほんとは大人にとっても)世の中というのは勝手に変わってしまうもので、自分で決められるのは踏みとどまるか脱出するかのどちらかしかないんだよなあ。

悪党びいきとしては、サー・キングズレーの名演もあってついついフェイギンに同情してしまいたくなるんですが、まあしゃあない。
オリバーは救貧院でも奉公先でもスリ団でもブラウンロー邸でも「いい子」でいるように言われるけれど、子供は自分に合う世界のいい子にしかならないもんです。
あきらかに向いていない子に拘るからいけないのです。おっさん、ヤキが回ったんだね。
しかし、その自分に合う世界に行くために結果的には一つのコミュニティを壊してしまいつつ、それをちゃんと痛んでいるオリバーは、やはり稀なる「いい子」なのでしょう。

それはそうと。
パンフのクラーク君の紹介のところに、「ポランスキーといえば古くは(中略)近年ではトーマス・クレッチマンというという具合に、男女を問わず美形俳優の魅力を引きだす腕も天下一品」と書いてあるんですが。
たしかにポランスキー映画には、N.キンスキーからクレッチマンにいたるまで、男も女もそれはそれは綺麗な人が多いし、その意見には全く異論はないですが、同時に、実例は上げませんが世間一般的な基準から見るとちょっとどうかと思わなくもないところのなくもない、そんな俳優さんから妙な美しさを引きだす手腕もまた一流だと思いますのことよ。

それにしても、『白バラ』についで今期二回も、出てもいない映画のパンフに名前を見てしまいましたよクレッチマンさん。

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プロフィール

蛹原タオ

Author:蛹原タオ
sanagihara☆yahoo.co.jp
属性:書痴画狂・犬派・虫キチ・不定形生物好き
趣味:映画・演劇・古書漁・動植物観察
好き役者:A.ブロディ、T.クレッチマン、B.D.ハワード、J.イェンチ他
好き作家:稲垣足穂、種村季弘、たむらしげる、手塚治虫
座右の銘:三十六計逃げるにしかず
*06年3月15日以前のログはこちら

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