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2007-05-28

靉光展最終日

休日脱力病(怠け病とおっしゃい)をおして、靉光展に行ってきました。
恥ずかしながら、靉光といっても代表作『眼のある風景』くらいしか知らなかったのですが(そしてそれは、仮に一作だけでも充分観に行く価値のある凄い作品でしたが)、今回の回顧展でまず驚いたのは、わずか38年の生涯にして目まぐるしいほどの変遷ぶりです。
画材からして油絵、ロウ画(溶かしたロウに岩絵の具をまぜたもの)、墨、はては帯のデザインまで。もちろん画風も画題も変わる。
戦病死だそうです。最後の展示品はなんと遺品になった飯盒で、当然ですがそこには美しい雅号ではなく、ミもフタもない本名が刻まれていました。
長生きしていたら独自の画風を極めていたか、それとも変わり続けたかわかりませんが、ともかく惜しまれてなりません。

しかし、どの画風でも印象に残ったのは、ある種の過剰と空虚です。
と言っても、たとえば前に言った伊藤若冲のような粋な過剰や晴れ晴れとした空虚とは違って、何と言うか焦りや不安を大急ぎで塗り込めているような過剰さであり、その過剰の殻がバカッと割れて内側の虚無が覗くような、得体の知れない空虚。

実はこの不安感の正体らしきものの一端が、同時開催の『日本の近代美術』と題された所蔵作品展で観られるようになっていました。
たとえば、ちょうどその時代に出現した「群衆」をテーマに据えた特集コーナーとか、藤田嗣治が軍の依頼で描いたという戦争画の、妙な明るさとかに。

靉光展のほうはこの後巡回するようですが、いっそ二展同時に巡回すれば良いのに。
なんにしても、行き届いた企画展でした。

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プロフィール

蛹原タオ

Author:蛹原タオ
sanagihara☆yahoo.co.jp
属性:書痴画狂・犬派・虫キチ・不定形生物好き
趣味:映画・演劇・古書漁・動植物観察
好き役者:A.ブロディ、T.クレッチマン、B.D.ハワード、J.イェンチ他
好き作家:稲垣足穂、種村季弘、たむらしげる、手塚治虫
座右の銘:三十六計逃げるにしかず
*06年3月15日以前のログはこちら

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